鯛料理を熱愛する愛媛県民
お祝いに欠かせない魚と言えば鯛ですが、鯛に最もこだわるケンミンは愛媛ケンミンと言えます。
愛媛県には、鯛めしが2種類あります。県中部・東部は鯛を丸ごと一匹使った炊き込みごはんで、県南部は、鯛の刺身に甘辛いタレと生卵を絡めて食べます。
宇和島市で有名な鯛料理は鯛そうめん
鯛の養殖が盛んな宇和島市で有名な鯛料理と言えば『鯛そうめん』です。日常食のそうめんが、お祝いの席などで鯛と一緒に食べられています。
丸ごと一匹使った鯛の煮付けが大皿の中央に置かれていて、まわりには茹でたそうめんを一口大にまとめたものが盛られています。そうめんにはネギ、錦糸卵、椎茸と言った薬味がかけられています。
食べる時はそうめんと薬味、鯛をそれぞれ個人の器に入れ、最後に鯛を煮付けた甘めの煮汁をかけてたべます。煮汁は醤油、砂糖、みりん、酒がベースで、鯛の油や旨味がたっぷりと凝縮されています。
『料理 田むら』愛媛県宇和島市 食べログ
鯛そうめん (10人前 13,000円から)
鯛は、カマ、ほほ肉、眼肉など頭の方が美味しく人気なので、目上の人が頭の方を食べるそうです。大皿でたっぷりと提供されるので、余ったものはパックに詰めて持ち帰ることもよくあるそうです。
鯛そうめんが食べられるようになった経緯
南予地方(宇和島市周辺)では、祝い事や正月などに親しい人を呼んで大勢で食事をする『おきゃく』と呼ばれる風習があり、鯛そうめんはおきゃくに欠かせない一品です。
愛媛県では江戸時代からそうめんが作られており、その頃から鯛そうめんが食べられるようになりました。
そうめんは長いことから、長く健康が続くよう、婚礼などお祝いの席にも出される縁起物です。鯛もそうめんも縁起が良いことから、めでたいこの料理ができたと思われています。
また、鯛そうめんは愛媛県以外でも香川県、広島県、淡路島など瀬戸内海沿岸各地に存在するそうです。
筆者は長崎県の出身ですが、幼少の頃、そうめんに煮汁をかけて食べていたようなかすかな記憶があります。煮魚やそうめんは昔からある日本の食材なので、同じような料理が存在したのかもしれません。
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